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三重県眼科医会

目の急病

 眼科での急病について主なものを説明させていただきます。実際に目の救急の疾患というのはそれほど多くはありません。人類の歴史の中で、いろんな危険から身を守るために丈夫に出来ています。
しかし、急所ですのでひとたび見えなくなると情報が途絶え、昔なら生命の危険にさらされます。

 時間を争う急病というのは大きく三つぐらいに分けられます。
目の外傷すなわち目の玉のけがと、急性の緑内障、昔の人のいうアオゾコヒといわれるもの、そして眼底の血管が詰まる網膜中心動脈閉塞の三つです。

目の外傷

 先ず目の外傷ですが、これは当然救急ということは誰しもが判ると思います。
原因としてはスポーツによるもの、労働災害、家庭での外傷、ケンカによる眼外傷、交通外傷の順に多く見られます。

 程度はさまざまですが、大きく分けて鈍傷と鋭傷があります。
鈍傷には視力が低下する前房出血、下方がだぶって見える眼窩底骨折、急に視力低下する視神経管骨折などがあります。
鋭傷では眼瞼裂傷、涙小管断裂、結膜、角膜、強膜の切創などで、これらは目の救急の疾患です。
その他、外傷の範躊にはいるものとして薬物、化学薬品が目に入った場合これはよく目を洗うことです。アルカリ性のものではひどくなることがあります。

 そのほかには溶接による電気性眼炎があります。必ず保護眼鏡、面をつけて下さい。やけどと同じですので冷やすことです。それから、放置すると重症になるものは、目を蜂に刺された場合、栗の毬が角膜に刺さった場合、子供のおもちゃのエアガンが角膜に当たった場合と、最近多くなったのは交通事故によるエアバックによるものなどです。また、最近は少なくなりましたが、コンタクトレンズによる角膜の酸素不足による痛みがあります。コンタクトレンズも目の中にいれる異物ですので、扱い方によっては角膜潰瘍など重篤な障害となります。

 他に、多いものとしては眼球と瞼の間に入る結膜異物や黒目の表面に刺さる角膜異物があります。眼球の中に入らなければ痛みはありますが緊急の手術の必要はありません。しかし、放っておきますと化膿しますし、鉄粉などは錆びて炎症を起こして強い痛みを伴います。
目の中に何か入ったなと思ったらこすらないこと、自然に瞬きにまかせておきますと、涙で出てしまうことがあります。出ないときは刺さっていることが多いので、強く瞬きしたり、こすったりしないことです。こすると傷になり、余計痛みが強くなってしまいます。

緑内障発作

 次に二番目の緑内障発作についてお話します。これは眼圧上昇すなわち目の硬さが増して目の痛みと、痛みのある目の方の頭痛で始まり、吐き気そして嘔吐も来す急病です。瞳が開いて緑っぽく見えるので緑内障といわれています。しかし点眼薬の進歩と予防的なレーザー治療によってほとんど経験することが少なくなりました。

 最近は緑内障発作即ち、急性炎性緑内障以外のタイプの緑内障が注目されています。放っておきますと視神経、目の神経がやられ視力、視野障害が起こります。

網膜中心動脈閉塞

 三つめは網膜中心動脈閉塞です。視神経の中心から出た動脈が詰まり網膜に血液が流れなくなりまったく見えなくなります。10分以上放置しますと失明することがありますので、気がついたら自分ですぐ脈拍に合わせて、心臓の鼓動に合わせてマッサージすると助かることが多いと言われています。この疾患も最近は健康管理が行き届いたため少なくなっているようです。

 以上の三つが本当の目の急病と私は考えています。
それ以外にも目が痛くて辛抱できないものや、一時的に急に見えなくなったという場合もあるのですが、ほとんどの場合診療体制が整っている診療時間内に受診されるほうが良いと思われます。

 最近の眼科の医療器械は光学器械や手術器械の発達により診断治療が格段に良くなっております。その意味からも発病しても翌日の診察、治療で手遅れになり予後が悪くなるということは、真の眼外傷、急性の緑内障、網膜中心動脈閉塞の三つ以外にはありません。

 以上述べましたように眼科は救急の少ない科です。他科の小児科、産婦人科、整形外科などに比べて急性の病変やけがも、多くはなく、また目が二つありますので片方が悪くなっても、さして支障なく生活できますので放置されることもしばしばです。
だからと言ってほっておいてはいけません。早く診療時間内に診断、治療を受けて下さい。
いつも大事な目が無事か確かめて下さい。片目ずつ見ていただいていつもと同じように見えているかを確かめましょう。

(文責 福喜多 光一)

少しでも気になることがあったら、お近くのの眼科医にご相談ください。

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